職種間の年収のギャップが広がるIT系企業

IT系のエンジニアを全体として見ると、500万円から600万円程度の平均年収があるが、徐々に職種間でのギャップが広がってきている傾向がある。どの職種もほぼ均等に必要とされていた状況から、人材市場にも企業規模にも格差が生まれてきたのが原因となって高年収の職種と低年収の職種では大差が生まれている。以前から管理職については高い給料で働ける状況があったが、その傾向が大きく変化したわけではない。ギャップを大きくなっているのは高年収の職種や低年収の職種が生まれてきたからである。需要が高騰してきているコンサルティング系では、有能なエンジニアが必要とされる影響もあって高年収になっている。管理職系とほとんど変わらない年収1000万円レベルの給料をもらっているIT系でも筆頭に上がる高年収の職種なのである。

一方、サポート系やサービス系になるとコンサルティング系の半分にも満たない状況が生まれてきている。この他にも低年収となっているのが、品質管理や生産管理などに携わる業務や、システムの保守や監視を主とする職種だろう。やはりサポート系やサービス系と大差のない年収になっているのが現状である。このようなギャップが生まれていることで、エンジニアがなりたい職種も変化し、コンサルティング系を目指す動きも強くなってきた。人材の需要が満たされると、また給料のあり方にも変化が生じる可能性があるものの、現状としてギャップは広がり続けている。IT業界で長く働きたいのであれば、まずは、それぞれの仕事の平均収入を押さえた上でキャリアを検討することが重要と言える。